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不動産・金融コラム


幅広く「資産」に携わり、約20年。証券・銀行・不動産と歩んできた道のりで蓄積した知見から、最新の市場動向と関連する洞察を、ここに綴ります。

「"資産形成"とは、本来、人生そのものを守る行為である。」

 

序章|なぜ、資産形成について考え直すべきなのか

 

「資産形成」や「資産運用」という言葉を耳にすると、多くの方は単なる金儲けや投資の話と捉えられがちです。しかし本質は、それよりもずっと尊い行為なのです。

それは「人生を守る」「未来に責任を持つ」という、私たちの存在そのものに関わる選択です。

振り返れば、かつての日本では「真面目に働き、定年まで勤め上げれば安泰」という人生設計が機能していました。しかし現代の日本は——

– 年金制度の持続可能性への疑問
– 度重なる増税と将来的な税負担増加
– じわじわと進む物価上昇と実質的な購買力低下
– 止まらない高齢化と加速する人口減少
– 長期にわたる給与水準の低迷
– 1000兆円を超える政府債務

これらを直視すれば、もはや「待っていれば安泰な時代」は確実に終わったと言わざるを得ません。

資産形成とは、単なる経済行動ではありません。それは将来の自分と家族を守るための「生き方の選択」なのです。

 

第1章|日本の金融機関の構造的限界

 

私は証券会社、銀行、そして不動産業界と、お金に関わる複数の業界を経験してきました。その中で痛感したのは、日本の金融サービスの「縦割り構造」の限界です。

証券会社は投資商品を売りたがり、銀行は融資や預金を勧め、保険会社は保険商品のみを提案します。しかし、お客様の人生全体を見据えた総合的なアドバイスはほとんど行われていないのが現状です。

なぜでしょうか?

それは各部門が「自分たちの商品を売る」という部分最適に走り、お客様の真の意味での全体最適—つまり生涯にわたる資産形成の視点—を持てていないからです。

売り手側の都合や手数料収益を重視したビジネスモデルが蔓延し、**本当にお客様の人生を守る提案**はほとんどなされていません。

これは私が業界で目の当たりにしてきた、厳しくも揺るぎない現実です。

 

第2章|なぜ「海外分散投資」が不可欠なのか

 

「日本円だけ」「日本国内だけ」に資産を集中させることのリスクを、私たちはもっと真剣に考える必要があります。

それは、家計という小さな船を、ただ一つの大海(日本経済)にのみ浮かべているようなものです。その海が荒れれば、小さな船は否応なく大きな波に翻弄されます。

– 増え続ける税・社会保険料の負担
– 世界に類を見ない速度で進む少子高齢化
– 膨らみ続ける財政赤字
– 長期的な円の購買力低下
– 不安定化する政治情勢

これらのリスクに対して、世界の富裕層はどのように対応してきたでしょうか。

答えは明確です—「資産の国際分散」です。

超富裕層にとって、国境を越えた資産配分は既に常識となっています。それは単なる投資戦略ではなく、家族や次世代のための「生き方戦略」なのです。

日本だけに留まることのリスクと、世界に資産を分散させる自由——その選択肢を持つことが、これからの時代には不可欠になってきています。

 

第3章|資産運用は「売り買いゲーム」ではない

 

私がお客様にいつもお伝えしているのは、真の資産運用とは株式の売買で一攫千金を狙うようなギャンブルではないということです。

資産形成とは、各国の文化、宗教、地政学的リスクを十分に理解した上で、長期にわたって「資産を守り、育て、次の世代に引き継ぐ」という、崇高な行為なのです。

歴史を紐解けば、戦争や革命、ハイパーインフレなど、様々な危機を経験した世界各国では、資産防衛の知恵が育まれてきました。日本が戦後の平和と繁栄の中で忘れかけていた「資本防衛の知恵」として、資産形成を捉え直す時が来ているのではないでしょうか。

「長期」「分散」「継続」—この三原則は、何百年もの世界経済史が教えてくれる普遍的な真理なのです。

 

終章|自己責任で未来を選び取る時代へ

 

かつての日本では、会社や国家が個人の将来を守ってくれるという暗黙の了解がありました。しかし今や、その前提は崩れています。

もはや金融機関が、あるいは国家が私たちの将来を守ってくれるという期待は捨て、「自分自身が、自分の人生に責任を持つ」時代に入ったのです。

これは厳しい現実かもしれませんが、同時に自らの選択で人生を切り拓く自由でもあります。(笑顔で言えば「自己責任の時代」とは、つまり「自己選択の時代」でもあるわけです)

だからこそ、質の高い情報を得て、学び、自ら判断し、行動することが重要です。それこそが、人生を守る資産形成の真意なのです。

私は「勝つ審査」を通じた住まいのご提案から始まり、長期的な資産形成まで、お客様の「人生全体の豊かさ」を支えるパートナーでありたいと考えています。

すべては——あなた自身の、“より”良い人生のために。

人生に“より”良いを

株式式会社 スリースターズ
代表取締役 谷本 琢哉